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身近な暮しを書きとめるノートです。
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精神病院から公園に

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by lykkelig | 2010-04-29 17:04 | 社会問題

C'era una volta la città dei matti 昔、昔、あるところにキチガイがいた

日本から、精神病院をなくした国イタリアへ! グループ視察が実現!

3月30日、私の裁判も6年目で逆転勝利。それに、書きためてきたノルウェー社会の男女平等の本は、『ノルウェーを変えた髭のノラ~男女平等社会はこうしてできた』というタイトルで4月末発刊が決まった。ほっと一息。イタリアの風に吹かれるのもいいかも。

精神保健は私の専門外だ。日本で精神保健や精神医療に携わる専門家や関係者が多い一行に交じり足手まといにならないだろうか、と気がかりだった。

でも、私が議員だった頃、家族会の女性たちとの交流から、精神疾患を抱える家族の問題は女性問題だと、確信させられた。また国連文書で、心の病とくにうつになる人は女性が多く、ジェンダー問題と切り離せないにも関わらず、女性の視点からの研究が進んでいないという指摘を読んでもいた。

最近では、ノルウェー元首相ブルントラントが女性初のWHO事務局長だったとき、ジェンダーの視点で精神医療・保健を見直す提言を発表したことを知った。その後、精神保健と女性についての研究論文は数えきれないほど刊行されている(日本ではほとんど紹介されていないようだ)。

中世に魔女狩りで殺された女性たちは、近現代では精神病院に閉じ込められる対象に限りなく近いのではないか、と思うことがあった。たとえば、世が世なら私のような女性は、「子どもを産まない女、離婚した女、男にたてつく女」と指弾され、あげくのはてに入院させられたかもしれない。

男性の価値観による理想的女性の枠に入らない女性は、極端な場合、精神病院に送られ、強制的に枠にはめこまれたのだ。いやいや、今の世でも日本にはこの偏見は残る。だからこそ、離婚したことを隠す女性が21世紀の今日、まだ存在する。

フランカ・バザーリアは言うーー「貧困や権利の剥奪が耐えられなくなったときに狂気として現れてくる。だから、精神病院は一種の階級的次元を表している」(海声社『過渡期の精神医療』p391)。そう、女性の場合、自己肯定感情を剥奪されることがあまりに多い。

精神の病を患う女性の問題は、社会の性役割の押しつけと分かちがたく結びついている。

というわけで精神保健改革をジェンダーの視点から見てやろうとイタリア行きを決意した。団長であるパートナーの通訳もかねて…。2010年4月9日から10日間の予定。一行は10人。訪問先はトリエステの精神医療保健の現場

道中最も感動したのは、トリエステのサン・ジョバンニ公園内のセンターで見た映画だ。タイトルは「C'era una volta la città dei matti・・・(昔、昔、あるところにキチガイがいた)」。

b0148594_11234812.jpgNHKにあたるライテレビが制作し、放映した。大当たりだったという。「英語の字幕つきだから通訳をしてほしい」と言われた。初めての映画を見ながら、即、日本語に直すという荒業。しだいに涙がほおから溢れ出て、胸がつまって、訳すことはとても辛くなった。(左は映画のシーン。60年代の精神病院女性病棟)

1960年代、精神病院は隔離、監禁、拘束、薬漬け、電気ショック、鉄格子が当たり前だった。しかし、それを見て見ぬふりのできなかった若き医師がいた。フランコ・バザリアだ。彼は精神病院解体を押し進める。その史実に基づいたフィクション映画。

映画はマルガリータという女性患者がメインとなって進んでいく。彼女の母親は、若い頃、米兵から輪姦された性暴力の被害者。彼女は強烈な罪と恥の意識にとらわれ続ける。悪夢にうなされる。強烈なトラウマ。その感情を娘にあたることでしか均衡を保てない。若さにあふれた魅力的な女性マルガリータの奔放さを母は絶対に許すことができない。ある日、マルガリータを精神病院につれてゆく。恐怖と羞恥心のあまり必死に抵抗するマルガリータ。彼女を抑えつけようとする看護婦。さらに強く抵抗するマルガリータ。ついに・・・。とうとう彼女は凶暴な獣のように檻に監禁される。

もう一人の登場人はボリス。彼は少年のころ、戦争にあった。目の前で家族すべてを殺害されてしまう。敵陣から逃亡するボリス。しかし殺されそうになって、橋から川に飛び込む。その後、彼は精神に大きな傷を負ってしまう。精神病院の独房に入れられ、手足を拘束された上、ベッドに縛り付けられたままだ。食事も排泄も・・・。

さて、私たちが映画を見た場所、そこはサン・ジョバンニ公園。映画では精神病院だった場所だ。それがいまや公園として生まれ変わった。昔なら一生ベッドにくくりつけられていたような人たちが、さんさんと輝く太陽のもとで働いている。まさにその歴史的場所で、その変革物語を見た。運命的ともいえるめぐりあわせだった。

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イタリア精神病院開放のシンボルは青い馬。トリエステのサン・ジョバンニ公園の入口近くに置かれた青い馬の前で全員集合!今回のトリエステ視察団。日本の精神保健を変える人たちだ。

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過去の精神病院の病棟があったところは、今、サン・ジョバンニ公園に。広大な敷地内に地域保健センターや、庭園、レストラン、製品工場、放送局、住宅などがある。

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公園内の住居。ここで精神疾患を持つ人が、ちょっとしたサポートを頻繁に受けながら自立して暮らしている

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      「キチガイになる覚悟あり」という愉快なポスター。あちこちに貼ってあった

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できるうる限り美しく、高い質に、がモットー。芸術の国イタリアの心意気が見事に浸透している。期間中、パートナーと私は、「いちご放送局」のラジオ番組でインタビューを受けた。「日本の美術や芸術はすばらしいと聞いています。その美しさは、精神に病をかかえる人たちにも届いていますか」。私たちはただうなだれるしかなかった。

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トリエステ郊外の公営住宅の一角に、精神疾患を持つ人たちが住んでいる。右の棟の1階に実際に暮らしている人たちを訪問した。

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総合病院内の精神科診療サービス担当のアッスンタ精神科医。後ろにバザリアの写真がはってある。急性患者に対応するが、「私はこれまで一度も白衣を着たことはありません。危険に目にあったことはありません」と語る。彼女は、別の日、女性のための女性による女性だけの精神保健地域センターの試みの歴史を語ってくれた。ジェンダーに関心のある私には、何よりの情報だった。

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家族会の人たち。いかに精神病院のないことがすばらしいかを話してくれた。「僕は日本でイタリアでは精神病院をなくしたんです、と言うと、『精神病院をなくして、どうやってやれるのですか』と聞かれます」とパートナー(手前の後姿)。彼のこの話に家族会代表者は、「私は、精神病院があって、どうやってやれるのですか、と聞きたいです」と応じた。強烈パンチだった。

私にできることは? 「まずは映画の日本公開をなんとかして成し遂げたい」と皆の前で爆発宣言した。最終日、ホテルの私たちの部屋に集まってトリエステ視察を振り返っての会議をした時だ。ほとんどの人にとって、今回の体験は、魂が大きく揺さぶられ、爆発寸前だったようだ。おりしもTVからアイスランド火山爆発で欧州空港閉鎖の緊急ニュースが流れてきた。

私は、このトリエステ視察計画について、半年ほど前からバザリア財団理事長マリア・グラッツア・ジャンニケッタと英語による交信ボランティア(通訳兼連絡係)をした。

彼女とは1992年に、日本でセクシュアル・ハラスメントについて泊りがけの調査旅行をした仲。彼女からバザリア財団理事長に就任したという知らせを受けたのは、10年以上経った2004年ごろだったろうか。2003年夏ごろ、彼女に送ったFamily Photo付き挨拶状への返事だった。そして交流が再開した。連れ合いのイタリア取材、バザリア賞を受賞したことで、さらに緊密になった。

今回の充実した視察内容にこぎつけるまでには、マリア・グラッツア・ジャンニケッタ理事長の尽力がある。心からお礼を申し上げる。

C'era una volta la città dei matti
http://www.who.int/mental_health/resources/gender/en/
http://janjan.voicejapan.org/culture/0806/0806250512/1.php
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by lykkelig | 2010-04-28 19:50 | 社会問題

新刊「ノルウェーを変えた髭のノラ」

今晩は、広尾のノルウェー王国大使館で、新刊『ノルウェーを変えた髭のノラ』の出版記念会、レセプションがあった。

本を出すまでに、仙波亜美さんをはじめ大使館の方々に大変お世話になった。それだけでも感謝感激雨あられなのに、3月末、大使館での出版記念会・レセプションというこれ以上ない企画が舞い込んだ。本当に感謝しても感謝しきれなかった。

本ができても、それをどうやて多くの人に届けるか、はまた別だ。報道関係にコネなどない私は、中身で勝負、と行きたいところだが、本屋さんにだいたい置いてくれないことが多い。本を手にとってもらうこと自体たいへん難しい。

本の出版は4月25日。すぐ連休がやってくる。というわけで、連休前の27日がいいのではということになった。

あいにくの雨。その上、寒い。そんな悪天候の中、報道関係者をはじめ、藤田一枝さん、京野公子さん、男女共同参画局長、外務省関係者をはじめ、全国フェミニスト議員連盟の地方議員、全国各地で女性議員増にがんばっている運動家のみなさん・・・忙しい中、かけつけてくださった。明石書店の編集部の方々も、社長をはじめ何人か受付準備などに汗をかいてくださった。

かくなる上は、一人でも多くの人に読んでもらうため、がんばろう。

写真撮影に徹したパートナーにも心からありがとう!
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by lykkelig | 2010-04-27 23:36 | 女性運動

車に丸太がつっこんできた

な、なんと、車体の下に丸太がつっこんできたらしい。幸いにも、ちょっと車がへこんだだけで、運転手(連れあい)は、怪我ひとつしなかった。ホッ。
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by lykkelig | 2010-04-04 16:56 | 家族、友人など
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